フランスの治験で深刻な事故「一人が脳死→死亡」

2016年1月15日、フランスのトゥーレーヌ保健相が「治験による深刻な事故」があったと発表しました。
フランス北西部レンヌで行われていた鎮痛剤(経口薬)の治験において、6人のボランディアが病院へ搬送されました。6人のうち1人が脳死、3人が脳に不可逆的な障害が残る可能性があるとのことです。

もう一人にも神経障害が出ています。6人目に障害は出ていませんが、経過観察が行われているとのこと。この6人は、28歳~49歳の男性です。
複数回の服用という処方パターンのグループだったとのことで、2016年1月7日から服用を始めたことろ、10日から体調が悪化する人が出始めたそうです。11日に治験は中止されました。

不安や痛みを和らげるという新薬の治験で、動物実験を経て、人を対象とした治験は、昨年の7月から始まっていたとのことです。
不安感や運動障害の治療を目的として、内因性カンナビノイド系に作用する鎮痛剤の使用が試されていました。健康な18歳~55歳の合計128人(108人との報道も)のボランティアが参加していて、そのうち90人に量を変えて投与されていました。残りの人には「偽薬」が投与されていました。偽薬というのは、薬効成分を含まない偽物の薬で、思い込みによる症状改善(プラシーボ効果)を確認するためのものです。

パリの検察当局が捜査を開始しています。
薬理学サービス会社バイオトライアルの研究所が家宅捜索されました。

今回の治験は、フェーズ1と呼ばれる治験の第一段階のもので、人間が薬を使用することの安全性や、どのように吸収・排せつされていくかを確認するためのものでした。通常は健康な男性に対して行います。今回の被害者も全員男性でした。

おそらく、病院へ運ばれた6人が、最も薬を多く服用する処方パターンのグループだったのでしょう。
試験手順に誤りがあったのか、試験薬に問題があったのか、原因究明が待たれます。

治験に参加する場合は、フェーズ1のものを避けた方が安心かもしれませんね。

※2016年1月17日、副作用により脳死だった男性が死亡したと、男性が入院していた病院が明らかにしました。他の5人の容体は安定しているとのことです。